ちょっと前の記事で「旧作映画シリーズ」というワードが出てきました。今回はそれについてもう少し深掘りしたいと思います。
今年は旧作映画、特に20世紀の映画作品を多く手に取るようにしました。映画好きとしてはスルーしちゃいけない作品をセレクトしたつもりです。ここでは映画の感想というより、その映画を選んだきっかけを中心に書いていきます。いずれ書くであろう「2023年ベストムービー」と重なる作品がありそうなので。
『街の灯』(原題:City Lights/1時間26分)
【1931年/アメリカ/ラブストーリー】
目の不自由な花売り娘に恋をした男の奮闘を、セリフ無しのサウンド版でユーモアに描いた不朽の名作。
1930年代の映画作品で真っ先に浮かんだのが、「世界の喜劇王」チャールズ・チャップリン。『キッド』『モダン・タイムス』に次ぐ3作目のチャップリン作品の鑑賞となりました。
『カサブランカ』(原題:Casablanca/1時間42分)
【1942年/アメリカ/ラブストーリー】
第2次世界大戦下のフランス領モロッコのカサブランカを舞台に描く名作ラブロマンス。
知っている作品が少なくて選ぶのが難しかった1940年代。本作は、かろうじてタイトルは知っていたし、「君の瞳に乾杯」という名セリフを聴きたかったので選びました。
『見知らぬ乗客』(原題:Strangers on a Train/1時間41分)
【1951年/アメリカ/サスペンス】
交換殺人を持ちかけられた男の恐怖を描いた、パトリシア・ハイスミスのミステリー小説を映画化。
だいぶ前に「嵐」の二宮さんが舞台でやっていたので、タイトルと大体のあらすじは知っていました。初めてのヒッチコック作品はゾクゾクしっぱなしでした。
『東京物語』(2時間15分)
【1953年/日本/ドラマ】
東京で暮らす子どもたちを訪ねた老夫婦の姿を通し、戦後日本における家族関係を丁寧に描いた不朽の名作。
初めての小津安二郎監督作品。やはり小津監督は外しちゃならんだろう!と思い、最も有名な作品を選びました。原節子さんの美しさも気になっていたし。
『ティファニーで朝食を』(原題:Breakfast at Tiffany's/1時間54分)
【1961年/アメリカ/ラブストーリー】
宝石店のティファニーの前で朝食のパンを食べるのが大好きな娼婦・ホリー。ある日、彼女のアパートに作家志望の青年・ポールが引っ越してくる。
1960年代辺りで有名な女優といえば、オードリー・ヘプバーンは外せません。『ローマの休日』以外の彼女を観てみたいと思い、本作を手に取りました。
『天国と地獄』(2時間23分)
【1963年/日本/サスペンス】
製靴会社の専務・権藤の息子と間違えられて、運転手の息子が誘拐されたことから始まるサスペンス。
「世界のクロサワ」も、やはり外せません。『生きる』『羅生門』に次ぐ3作目の黒澤明監督作品の鑑賞となりました。
『燃えよドラゴン』(原題:Enter the Dragon/1時間43分)
【1973年/香港・アメリカ/アクション】
カンフーを武器に、強大な悪に対決するスーパーヒーローの活躍を描くアクション映画。
1970年代の映画スターで浮かんだのが、香港のアクションスターとして名高いブルース・リー。実は、本作で初めて彼のカンフーアクションを観ました。
『砂の器』(2時間23分)
【1974年/日本/サスペンス】
迷宮入り寸前の殺人事件を捜査する2人の刑事の執念と、暗い過去を背負うために殺人を犯してしまった天才音楽家の宿命を描く社会派サスペンス。
松本清張原作の名作サスペンス。内容は知ってはいるんですが、最初から通しで観たのは初めてでした。丹波哲郎さんの演技が渋い。
『ロッキー』(原題:Rocky/2時間)
【1976年/アメリカ/アクション】
スラム街に暮らすボクサーの青年・ロッキー。愛する女性のために、世界チャンピオンのアポロとの死闘を繰り広げる。
ここからは、当時の映画の賞レースで話題になった作品をもとに選んでいます。本作のテーマソングは何度も聴いたことはあるんですけど、作品としてちゃんと観たのはこれが初めてでした。
『幸福の黄色いハンカチ』(1時間48分)
【1977年/日本/ヒューマン】
模範囚として刑期を終えた男が、旅先で出会った若者2人と共に、妻のもとへ向かう姿を描くヒューマンドラマ。
第1回日本アカデミー賞の最優秀作品賞を獲った作品。高倉健さんという映画スターも外せないですね。
『エレファント・マン』(原題:The Elephant Man/2時間4分)
【1980年/アメリカ・イギリス/伝記】
19世紀末のロンドンを舞台に、生まれながらの奇形で人間扱いされなかった青年の運命と、彼をとりまく人々との交流を描く。
これも舞台から知り、ずっと気になっていた作品でした。本作が実話であることが驚きました。いろんなことを考えさせる作品です。
『蒲田行進曲』(1時間47分)
【1982年/日本/コメディ】
撮影所を舞台に、花形スターと大部屋俳優の友情と、2人の間で揺れ動く女優の姿を描く人情喜劇。
この年の映画賞でほぼ独占状態だったらしいです。タイトルは聞いたことありますし、「人情喜劇」というジャンルが気になって手に取りました。
『マルサの女』(2時間7分)
【1987年/日本/サスペンス】
国税局査察部(通称・マルサ)に勤める女性の活躍をコミカルに描いたサスペンス。
本作も、この年の映画賞で話題になった作品とのこと。「おかっぱ頭がトレードマークの主人公」のインパクトが強くて、いったいどんな物語だろうと気になっていました。
『レインマン』(原題:Rain Man/2時間14分)
【1988年/アメリカ/ドラマ】
サヴァン症候群の兄と自由奔放な弟。2人の兄弟の出会いによって、それぞれの人生が変化していく姿を描く。
心理学を専攻していた大学時代。授業で「自閉症」の教材として紹介されたのが本作で、やっと手に取ることができました。それにしても、トム・クルーズが若い。
『シコふんじゃった。』(1時間43分)
【1991年/日本/コメディ】
ひょんなことから大学相撲部に入部することになってしまった大学生の奮闘をコミカルに描いた青春コメディ。
これも数々の映画賞で話題になった作品です。『カツベン!』に続く周防正行監督作品2作目の鑑賞となりました。
『フォレスト・ガンプ 一期一会』(原題:Forrest Gump/2時間22分)
【1994年/アメリカ/ヒューマン】
知能指数は劣っているが、誰にも負けない俊足と清らかな心を持った1人の男性の人生を、アメリカ現代史と重ねて描き出していくヒューマンドラマ。
第67回アカデミー賞で作品賞を含む6部門受賞した作品として、そして映画好きの友人からの薦めで気になっていた作品。やっと観ることができました。
『Shall we ダンス?』(2時間16分)
【1996年/日本/コメディ】
社交ダンスを通して、中年男性が自らの人生を見つめ直す姿を描いたコメディ映画。
1990年代の邦画は、周防正行監督作品を続けて観ました。ハリウッドでリメイクされるほどの傑作です。
『ブエノスアイレス』(原題:Happy Together/1時間36分)
【1997年/香港/ラブストーリー】
アルゼンチン・ブエノスアイレスを舞台に、男性同士の切ない恋愛や人間模様を描いたラブストーリー。
ちょっと前に地元映画館で、ウォン・カーウァイ監督作品5作を特集上映されていました。その5作の中に本作もあり、ストーリー展開が気になって手に取りました。
長々とまとめました。ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
本記事のタイトルにあるように、これが「vol.1」です。てことで、来年は「旧作映画シリーズ vol.2」を考えています。次は、21世紀の作品をセレクト。主要映画賞を参考にしながら、気になった作品を2000年から1作品ずつ手に取りたいと思います。こちらもどうぞお楽しみに~。