ここでは、映画版『東京タワー』について語らせてほしい。
映画版のポスターが美しいと思った、小4の冬
映画の『東京タワー』は2005年1月15日に劇場公開された。その頃の私は小学4年生で、V6のとあるMVと『学校へ行こう!』きっかけで岡田准一に釘付けになっていた。『タイガー&ドラゴン』もリアルタイムで観ていたなぁ。当時、地元のバス通り沿いにこの映画のポスターが貼られてあったが、そのポスターがあまりにも美しかった。通るたびに思わず目をそらしてしまうほど、その美しさにドキドキしていた。今だったら公開してすぐに観に行ったと思うが、小4の子どもにとって「大人のラブストーリー」はややハードルが高かった。
『東京タワー』初見(ここからネタバレややあり)
それから約10年後、やっと本作を手に取ることができた。初見ではストーリーよりも映像の美しさの方が印象に残った。真夜中の東京に赤く灯る東京タワー、甘くときに激しく愛し合う2組の男女、プールの中でもがく透の姿…。物語の後半の展開にはちょっと「ん?」と疑問符がついてしまったけども、ここで描かれる東京の光と影のバランス具合がとても良かった。しかし、この頃の松潤は若くてギラギラしていたなぁ。
『東京タワー』2回目の鑑賞
そして先日。ドラマに先駆けて『東京タワー』2回目の鑑賞。今回はストーリー重視で観ようと、一つ一つのセリフや表情に注目した。
透は詩史さんのことを好きすぎている。彼女から教えてもらったクラシック音楽を聴きながら、彼女からの電話を待つ。自分からはかけない。その待つ時間さえも愛おしいくらい、透は彼女に心底惚れていた。繊細ですぐに壊れそうな儚さがあって、観ているこっちも胸をギュッと締め付けられる。そんな苦しさがあった。今やアクション俳優のイメージが強い岡田だが、こんな切なく儚い大学生を演じていたんだなぁ。彼の演技に改めて魅了された。やっぱ好きな俳優だ。
観終わってまず疑問に思ったことは、詩史さんがどうして透のことを好きになってしまったのか、ということだった。経済的にも余裕のある夫がいるにもかかわらず、なぜ?そこだけがモヤモヤと残った。夫といるときは緊張感があるのに対して、透といるときは笑顔もあってどこか楽しそう。夫にはない「何か」が透にはあったということなのだろうか。詩史さんの心情が伝わりにくいが、数年後に見るとまた分かってくるのかな?
今回はストーリー重視で観たが、やはり夜の東京タワーの美しさには目が離せなかった。暗闇の中で赤く立っている東京タワーは、とても綺麗だけどどこか寂しそうで心がジーンとする。夜の東京タワーにもう一度足を運んでみたくなった。
令和が舞台のドラマ版はどのように描かれるのだろうか。映画版にあった電話を待つシーンは、まだスマホがなかった時代だったからこその描き方だったと思う。令和版ではどのような描き方になるのか。令和仕様にアップデートされるのか、あるいは変わらないのか。そこらへんの違いも観られそうで楽しみである。
切なくて美しいラブストーリーが観られる日まで、あと3週間を切った。