今年、多くの展覧会に行きました。行った感想をまとめてみたのですが、やはり長くなってしまったので、2部構成でお届けします。
WHO IS BANKSY? バンクシーって誰?展
さすがバンクシー。10時開場なのに、すでに行列が。中高生の若者が多かった印象。
神出鬼没のストリートアート。そのほとんどは、上塗りされたり壊されたりして残っていない。だけど、バンクシーの作品は、一般市民のスマホの中に残っている。バンクシーだけでなくみんなで作品を作り上げていく。現代美術としては新しい形といえる。
映画のセットみたいな展示というのも面白く、写真で見るよりもはるかにスケールの大きさを感じた。高さ5mの花束の絵を描くの、命懸けだったろうな。
ポケモン×工芸展
懐かしいポケモンたちが芸術家によって作品に溶け込む。
"進化"をモチーフにしたり、"つつら落とし"の世界を空間に落とし込んだり。芸術家も実際にポケモンのゲームをしてみて、作品のアイデアを出しているとのこと。最も印象的だったのは、「ピカチュウの森」とリザードンの壺だった。
それは知っている:形が精神になるとき
遅咲きの桜が出迎えた金沢21世紀美術館。外国人観光客が多かった。
展示室は「形と精神」がテーマ。銃で作られたパーカッションの楽器があり、その音はポップなメロディだった。"平和"というメッセージ性がありそうな気がした。
また、とある展示室に入ったら、よく見る絵文字がバルーンでドーンと浮いていた。インパクトあり過ぎるわ。現代美術は想像力の世界だと思った。
モーニングツアー
大原美術館のモーニングツアーに参加した。1時間だけだったが、内容が濃い。解説付きもありがたい。
普通に見たら素通りしちゃいそうな作品も、立ち止まってじっくりと。筆の動きが1枚の絵でもいくつかあったり、遠くで見ると見え方が変わったり。1つの作品にそれぞれ物語性があって面白い。
美術館の建物も、93年前から変わっていないという。大きい四角の壁は、昔は窓だったらしい。
アーツ・アンド・クラフツとデザイン —ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで—
この展覧会を一言で表すならば、「日常生活に美を」。
機械による大量生産社会に対する批判と装飾芸術の地位向上を信念としたモリスは、手作業と自然由来の染料にこだわった。線対称のデザインが多くてワクワク。ただ、この色づかいと鮮やかさ、緻密なデザインは機械では作り出せない。壁紙やティーセット、椅子など、日常生活に溶け込んでいるものにも、その美しさを魅せる。モリスの意図はこういうことではないかと想像する。
一方、フランク・ロイド・ライトは、モリスの価値観に機械の良い面を取り入れているように感じた。ステンドグラスは直線的だが美しい。デザインって面白いなぁ。
THE ドラえもん展
絵や写真、彫刻、映像など、いろんな表現で「ドラえもん」の世界を描く。
特に印象的だったのが、紙で作ったタケコプターだった。とても緻密だし、その説明文がやけに面白かった。想像の世界ではあるが、まさかタケコプターの内部を見られるなんて。
イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき
フィンランドを代表するブランド・イッタラ。ガラスを中心とした約450点の作品を通して、イッタラの技術・哲学・デザインに迫る。
これが意外と面白かった。写真撮影OKの展覧会で、撮った写真をふりかえると、カイ・フランクというデザイナーの作品が多かった。シンプルだけどスタイリッシュ。実用性のあるデザインにフィンランドの自然も添えて。フィンランドという国と共に、イッタラのデザインや技術があるんだなぁと思った。
トムとジェリー カートゥーン・カーニバル
やはり、小さい子どもとその親が多くて、とてもにぎやかだった。
会場に入ってすぐの説明文で、「トムとジェリー」は"やられたらやり返す系アニメ"と書かれてあって思わず笑ってしまった。映像もいくつかあったが、幼少期に観たからかほとんどのエピソードを覚えていた。
チーズの穴から顔を出すジェリーが可愛かった。また、コテンパンに変形されたトムやジェリーの作品もあってニヤニヤ。ボウリングのピンになったり、階段状になったり。
後編へつづく。