のほほん備忘録

のほほんと過ごす日々に、ちょっとした備忘録

倉敷滞在記 ~西洋美術と美観地区散策~

旅行3日目(最終日)。この日の朝は早かった。7時40分頃にはチェックアウト。大きな荷物はホテルに預け、少し走って目的地へ向かった。外は青空が広がっていた。さすが「晴れの国・岡山」である。

 

 

大原美術館「モーニングツアー」

開館1時間前から貸し切り状態で行われたツアー。参加者は若い女性から年配のご夫婦までざっと20人くらい。館内は写真不可。

大原美術館は、倉敷の実業家・大原孫三郎が親しい友人の画家・児島虎次郎を記念して設立した、日本初の西洋美術中心の私立美術館。西洋絵画や日本の西洋画、工芸品と収集ジャンルは幅広い。現代美術との協働にも力を入れ、収集や公開を続けている。

やはり解説付きはありがたかった。1つの作品でも筆の動きが何通りもあったり、遠くからだと見え方が変わっていたり。解説なしだと素通りしそうな注目ポイントも、立ち止まってじっくりと鑑賞。それぞれの作品に物語性があって面白さが伝わる。

クロード・モネ『睡蓮』は、近くで見るのと遠くで見るのとでは、印象がだいぶ変わっていた。遠くから見ると、睡蓮が浮かぶ水面に街の風景のようなものが見える。1つの作品で複数の楽しみ方がある。これぞ、美術の面白さだろうなと思った。

また、美術館の建物も設立当時(1930年)から変わっていないというのも驚き。大きい四角の壁は、昔は窓だったとか!知らなかった。ただ、盗難防止と作品保存の観点で、大きな窓が無くなったという。

1時間という限られた時間だったが、内容が濃いツアーだった。ツアーの後に、チケットを再利用したしおりや割引当日チケットも頂いた。ミュージアムショップでは、モネの『睡蓮』のステッカーを買った。また、提携店のカフェに行ったら、モーニングツアーのノベルティグッズをもらった。ポストカードとマスキングテープが入っていた。

 

 

くらしき川舟流しと美観地区散策

美術館での朝活が終わった9時頃。ここから帰りの電車の時間までは、川舟流しとお昼ご飯以外はほぼノープラン。美観地区をぶーらぶらと散策した。この時間だけは、比較的のんびりと過ごせた。

川舟流しのチケットは倉敷館で購入。外国人観光客も何人かいて、受付の人が英語で応対していた。9時半から30分おきに出発するが、私が予約したのは11時出発の便。やっぱ人気なんだな。

所要時間は約20分。乗客6人+船頭さん1人の船が倉敷川を流れていく。ゆったりとした川の流れ、心地良い風。それまでの旅がやや駆け足だったので、このゆっくりな時間が気持ちよかった。

足を伸ばしリラックスしながら、低位置からの街並みを眺める。立派な松の木、旧長屋、石橋、鮮やかな緑色の屋根、旧倉敷紡績の船着場、川灯篭…etc. こんな位置から眺めるなんてなかなかないので、たくさん写真を撮った。石垣の並びが気になる…。

 

川舟流しの前後は、ノープランでお散歩。ひととおり見たつもりだけど、意外と美観地区は広かった。奥の方はまだ行ってないところがある。

途中、道幅が大きく変わっているところがあった。左へ曲がると細い道が続いていたが、折り返してまっすぐ進むと途中から広い道になった。首をかしげた。以前、京都の太秦映画村に行ったとき、道幅が広いところは江戸の商店街で使われそうなセットで辺りも明るく、狭いところには庶民の住居みたいな感じで暗かった。映像作品の撮影所としても使われるから、そういう細かいところまで作られているんだと感じた。それと同じような気づきを美観地区でも感じた。あの道幅、ちょっと気になる。

倉敷アイビースクエアに行くと、鯉がゆったりと泳いでいた。建物はレンガ式で中庭が広々としている。もともとこの場所は、明治時代に建てられた旧倉敷紡績の工場だったらしい。外観や立木をできる限り保存、再利用で生まれた複合観光施設とのこと。だからレンガなのか。

また、この日は敷地内のアイビー学館でデニムパンツやデニム小物の展示即売会が行われていた。良い機会だし時間もたっぷりあるので、デニム小物を中心にブースを見て回った。普段使いできそうなアイテムもたくさんあったので、かなり迷った。お土産としてブックカバーとポーチを買った。別のお店で岡山のフルーツを使ったゼリーやグミ、マスキングテープも購入。倉敷帆布の小物は次の機会に。

時間の許す限りいろんなお店に入ったが、美観地区という場所は地区全体でものづくりの作家さんを応援していると思った。デニムや倉敷帆布の小物や帽子やマスキングテープ、丸っこい木のおもちゃ、備前焼のお店もちらほら。余談だが、ザ・古本屋さんを見つけたときはテンション上がった。この前訪れた糸島・前原商店街のまちづくりと似ている気がした。美観地区のまちづくりも、ちょっと興味あるなぁ。

 

 

我ながら、内容の濃い3日間だった。金沢で現代美術、倉敷で西洋美術と昔ながらの街並みを楽しむ。そして、地元グルメと海鮮系を味わう。計画と準備がまぁまぁ大変だったが、蓋を開けてみればとても満足したひとり旅だった。次はどこへ行こうかなぁ。

 

 

★エピローグ★

ホテルで大きな荷物を受け取り倉敷駅へ。予定より早く着いたので、1本早い在来線に乗ることができた。新幹線に乗るために、福山駅で下車。空き時間が30分くらいあったので、夕ごはんを買う余裕もあった。広島の駅弁で有名な「あなごめし」と、倉敷駅で買った岡山白桃チューハイを車内で頂き、旅の〆となった。